塗装リフォームとは?
「リフォーム」とは居住の改築や改装のことで、特に内外装の改装を指し、英語の「reform」とは少し意味が違った和製英語です。
建物の修繕、設備交換、耐震工事やバリアフリー化などもリフォームと言われています。
その中の一つに外壁や屋根の塗り替えがあります。
「塗装リフォーム」では、
◎外壁や屋根の色を今までと違う色にすることで、心機一転リフレッシュできる。
◎塗装をすることで紫外線や雨、風、汚れなどから建物を保護できる状態を維持できる。
◎色褪せや汚れなどを綺麗にすることができる。または汚れが付きにくい外壁にすることができる。
などのたくさんのメリットがあります。
外壁や屋根の塗り替えを考え中の方に向けてさらに詳しく解説したいと思います。
目次
(夏の暑さを和らげたい/汚れにくくしたい/カビや苔など生えにくくしたい)
↳※外壁塗装工事の相場 60万~180万円(材料費の他に足場、下地処理、経費などが含まれます)
↳※屋根塗装工事の相場 15万~80万円(材料費の他に足場、下地処理、経費などが含まれます)
塗料の色々な性能
塗料には、塗るだけで外壁や屋根を保護する機能があり、
保護をする機能にプラスして様々な付与効果を持っています。
現在では、高性能な塗料が数多く販売されており、
高耐久でありながら汚れににくく遮熱効果もあるなど、次に挙げる性能をいくつも持ち合わせた塗料もあります。
塗料の特性と取り入れたい機能が合ったものを選ぶようにしましょう。
夏の暑さを和らげたい
遮熱性塗料
太陽の熱を反射して、室内温度の上昇を抑える塗料です。省エネにも期待できます。
・エスケー化研 屋根用クールタイトシリーズ、外壁クールテクト工法 など
汚れにくくしたい
低汚染防汚性
特殊なコーティングにより塗装後の表面に汚れが付着しにくい性質を持つ塗料です。長期間綺麗な外装を保つことができます。
光触媒塗料
セルフクリーニング機能がある塗料です。光触媒塗料に含まれている酸化チタンが太陽光の紫外線と反応すると活性酸素が発生します。活性酸素が大気汚染物質を分解し塗装面に汚れが付着するのを防ぎます。親水性タイプのため雨天時に汚れが洗い流されます。
・オプティマスホワイトペイント など
無機塗料
成分に無機物が高配合されているため、他の塗料より静電気が起こりにくく空気中の埃や塵を引き寄せません。外壁についた塵や埃などがたくさんつくことで外壁が汚れて見えます。また、カビや苔が生える原因にもなりますので、無機塗料にすることで防ぐことが可能です。雨水で汚れを流してくれる親水性も備わっています。
こんな方にお勧め
・塗料の色を白や淡い色など汚れが目立つ色にしたい方
・長期間綺麗な外装でいたい方
カビや苔など生えにくくしたい
防カビ性・防藻
無機塗料
塗料の原料に無機物を配合した塗料です。無機物の紫外線で劣化しにくいという特性を生かした塗料となっています。
こんな方にお勧め
・現在コケやカビなどが生えている方。建物の周りに森や林など植物に囲まれている方。
・川など湿気の影響を受けやすい環境にある方。
メンテナンスコストを抑えたい
フッ素塗料
紫外線や酸性雨に強く耐熱性・耐寒性もあり耐候性に優れているのが特徴です。15~20年の耐用年数があります。そのため塗り替えなどのメンテナンスコストを抑えることができます。
無機塗料
20年以上の耐用年数があるので、長く住み続けることを考えるとメンテナンスコストが抑えられます。
アクリルやウレタンなどは初期費用を抑えることができますが、耐久性があまり高くないので、メンテナンス(点検や塗り替え)の回数が増え、費用も多くかかることが見込まれます。
耐用年数が高くなるほど、価格は高くなりますがメンテナンスの回数が減りますので、将来的に費用を抑えることが期待できます。
ご自身の予算にあった塗料を選べるのが一番いいでしょう。
他の塗料と費用を比較しよう
※外壁塗装工事の相場 60万~180万円(材料費の他に足場、下地処理、経費などが含まれます)
外壁塗料の種類 | 耐用年数 | 単価㎡ | 特徴 |
---|---|---|---|
アクリル | 5~7年 | 1,400円~1,600円 | 安価、発色が良くカラーが豊富。耐久性が低いため、こまめに塗り替えしたい人におすすめ。 |
ウレタン | 8~10年 | 1,700円~2,200円 |
アクリルよりも耐久性があり、比較的安価。価格と品質のバランスが取れた塗料です。 |
シリコン | 10~15年 | 2,300円~3,000円 | 防汚性や防カビ・防藻性がある。アクリルやウレタンよりは高価ですが、耐用年数が長くなるのでコストパフォーマンスに優れる。 |
ラジカル制御型 | 12~15年 | 2,500円~3,000円 | シリコンよりも耐用年数が長くコストパフォーマンスが高い。チョーキング現象を起こしにくくし耐久性があります。 |
フッ素 | 15~20年 | 3,800円~4,800円 | 耐久性と防汚性に優れている塗料。耐用年数が長くなり高価ですが、塗り替えをこまめにする必要がなくなるため、メンテナンス費用が抑えられます。 |
光触媒 | 15~20年 | 4,200円~5,000円 | 太陽光と塗料に含まれている酸化チタンが反応し、大気中の汚染物質を分解し付着させません。長期間綺麗な外壁を維持できます。日当たりが悪い建物には効果が発揮できません。 |
無機 | 20~25年 | 3,500円~5,500円 |
耐久性が高く耐用年数も最も長いとされています。耐火性や防汚性、防カビ・防藻性など色々な性能が備わっています。高価で、塗料が硬いため下地によってはひび割れが起こりやすい、艶消し塗装ができないことがデメリットです。 |
※屋根塗装工事の相場 15万~80万円(材料費の他に足場、下地処理、経費などが含まれます)
屋根塗料の種類 | 耐用年数 | 単価㎡ |
特徴 |
---|---|---|---|
アクリル | 5~7年 | 1,000円~1,600円 |
最も値段が安く耐用年数は短い。紫外線に弱い。 色が豊富。こまめに塗り替えしたい人にお勧め。 |
ウレタン | 8~10年 | 1,700円~2,500円 |
アクリルよりも耐用年数が長くなり、低コストであるため採用する方が多い塗料。紫外線には弱く劣化しやすいので、定期的な塗り替えが必要。 |
シリコン | 10~15年 | 2,300円~3,500円 |
高耐久であるため価格とのバランスが良い塗料。 汚れが付きにくいため、比較的長期間美観を維持できます。 |
フッ素 | 15~20年 | 3,500円~5,000円 | シリコンよりも高耐久であり、強い塗膜が特徴です。耐用年数が長いため塗り替えコストが削減できます。 |
無機 | 20~25年 | 4,300円~5,500円 |
紫外線に強いので劣化しにくい。 汚れに強い、燃えにくい、超高耐久など様々なメリットがある塗料です。塗り替えコストが削減できますが、無機塗料の価格は高くなります。 |
コンクリート外壁を塗装したい
撥水剤
新築の打ちっぱなしコンクリートでは、撥水剤を塗った状態で引き渡されます。
耐用年数は3~7年で定期的に塗り替えをすることをおすすめします。高い撥水性でコンクリートに水分が浸透することを防ぎます。
参考単価1,500円/㎡~
カラークリヤー塗装
クリヤー塗料に着色料を混ぜてあり、着色しながらも透明性がある塗料です。
撥水剤を塗布した上からクリヤー塗料をするため価格は高くなりますが、
撥水剤のみの塗布よりも保護機能が高く、錆止め、防水性、塗装ムラの防止といった効果があります。
耐用年数は5年~10年です。
参考単価3,500円/㎡~
弾性塗料
引っ張るとゴムのように伸びる柔らかな塗膜となる塗料です。
ひび割れが起きやすいコンクリートの外壁の動きに追従し、ひび割れが起きた場合でも塗膜は割れずに覆っていてくれます。
ひび割れの症状が見られ、水の侵入を防ぎたい方にお勧めですが、塗りつぶしのためコンクリートの質感は消えてしまいます。
参考単価2,700円/㎡~
意匠性が高い塗料にしたい
意匠性が高い塗料の特徴
砂壁状塗材
主にジョリパット、リシン、スタッコなどの外壁材のことをいいます。
モルタル、ALC、コンクリート、各種砂壁などの塗り替えに使われます。
艶消し仕上げで、落ち着いた雰囲気の外壁になります。
多彩模様塗料
2色以上の塗料やクリヤーに特殊なカラーフレーク(粒)やゲルが配合されていることによって天然石のような独特な凹凸感が生まれます。
単色塗料にはないおしゃれな風合いの外壁色に仕上がります。
(APETIEホームページより画像引用)
自然石配合多彩模様塗材
自然石が配合されているため、高級感とデザイン性に優れています。
外壁・屋根の色の選び方について
外壁の色と屋根の色の組み合わせ次第で、様々な雰囲気にすることができます。
外観にこだわりたい、色選びに失敗したくないという方はネット検索を利用すると良いでしょう。
組み合わせ方は十人十色、「外壁の〇〇色に合う屋根の色」と検索するとたくさん画像が出てきますので、参考にしてみるのも一つの手です。
塗装が必要な時期が近い!主な劣化症状
◎カビ・苔
気づいたら、カビや苔ようなものが生えていたということはよくあります。建物周辺の環境による原因がほとんどです。
塗料の選び方で発生を防止できます。
・日光が当たりにくい
・水はけが悪い
・風通りが悪く隣の建物と密接している
・植物を育てている
◎汚れ
・塵や埃、砂などが付着して積み重なる
◎色褪せ 変色 黒ずみ
外壁の色が白っぽく見える、窓枠周辺に黒色の跡が付着している、外壁同士のつなぎ目が黒ずんでいるなど、経年劣化と共に塗料の色にも影響が出ます。
・紫外線の影響で色が抜ける
・チョーキング現象が起こる
・長年の雨だれ跡が黒ずみとなる
・コーキングの油分が外壁に移って黒く見える
◎錆
金属系サイディングや屋根材、雨戸、板金などで錆による劣化が見られます。
塗料の耐用年数が過ぎてしまうと保護機能は低下してしまいます。
・塗装が剥がれているのを放っておく
・剥がれている箇所に雨水に繰り返し当たる
・屋根や板金に雨水が溜まりやすくなっている
・外壁が金属製ではないのに錆ているのは、板金や窓枠などの別の箇所からのもらい錆
◎ひび割れ
塗料も長期間紫外線の影響を受けることで、硬くなり、ひび割れを起こします。
塗装の表面だけの細かいひび割れはよく見られますので、その程度であれば、塗装をすぐにする必要はありません。
築年数が数十年経っているようであれば、塗り替えを考えましょう。
ひび割れは浮きや剥がれにも繋がります。
◎浮き・剥がれ
塗装が水ぶくれのようにぼこぼこ浮いてしまっている、大きな剥がれが見られるなど起こります。
築1年経っていない場合は、施工不良が原因です。
・下地処理をきちんと行っていない。
・塗る場所の素地と塗料の相性が合っていない。
・経年劣化による小さな剥がれから雨水が侵入し塗料の裏に雨水が入り込んでしまう。
・室内からの湿気が蒸発しようとして塗料が膨れたのち破れ、剥がれに繋がる。
・サッシ廻りや幕板廻り、ベランダやバルコニー周辺など雨水が多く通る、溜まりやすい箇所は塗装が剥がれやすい。
塗装だけでは直らない劣化がある場合
塗装だけでは直らない劣化とは
◎外壁材のひび割れ
◎屋根材のひび割れ・破損
◎雨漏り
◎コーキングのひび割れ
などが挙げられます。
コーキングのひび割れは塗装するときにコーキングを打ち替えるので、問題ありません。
ひび割れや破損がある場所は修理をします。
建物は日常的に気温の変化による収縮と膨張や、車が通る揺れ・地震での揺れなどから影響を受けています。
外壁材や屋根材などはそういった要因の影響が長年蓄積した結果ひび割れを起こす場合があります。
ひび割れが起きただけでは、すぐに問題は起こりませんが放っておくとひび割れが大きくなり、雨水が内部に侵入してしまう可能性があります。
幅1㎜以上のひび割れが見られた場合は、修理する必要があります。
外壁のひび割れ修理の仕方
0.3㎜以下のクラック(ヘアークラック)
細かなひび割れの場合は塗装するだけで大丈夫なものが多いです。
塗装を行う際は弾性塗料などを使うことで、ひび割れの隙間をカバーできます。
0.3㎜以上のクラック(構造クラック)
塗装をする場合はクラックをコーキングで塞いでから行わなければなりません。
施工手順
①ひび割れを電動工具でVカットかUカット
②カットしたところを清掃
➂プライマー・下地材塗布
④コーキング材充填
V字やU字にカットすることで目地を凹凸を均一にし、コーキング材が密着しやすいように下地処理をします。
クラックにコーキング材を充填することで、揺れなどで生じた建物の動きを吸収してくれるため緩衝材となってくれます
コンクリートやモルタルなどの外壁で、ひび割れが見られる場合は注入工事を行う場合もあります。
そういった場合はエポキシ樹脂などを注射器のような器具で内部に注入して修理をします。
外壁材が欠けている場合
外壁材の欠けている部分を綺麗にしプライマーとパテを使い元と同じように成形し処理します。
地震などの揺れの影響で広範囲にひび割れや欠けが起きてしまった場合は、外壁カバー工法や張り替えも検討しなければなりません。
外壁塗装とコーキング工事の関係について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
コーキング工事についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧いただけます。
屋根材のひび割れ修理の仕方
ひび割れがよく見られる屋根材
・スレート屋根(化粧スレート、カラーベスト、コロニアル)
・瓦、セメント瓦、コンクリート瓦
原因
◎経年劣化によるひび割れ
◎台風や強風時に飛んできたものが当たってしまいひび割れ・破損が起きる
◎作業中に脆くなった屋根材の上に乗ったことによる踏み割れ
屋根材の修理の仕方
適所にコーキング材などで部分補修をすることで
細かなひび割れの場合は塗装でカバーできます。
また、劣化具合を調査して部分的な交換だけで済む場合は一部交換や張り替えを行います。
広範囲にひび割れが見られたり、屋根材の破損がひどい状況でルーフィングや野地板まで劣化してしまっている場合は、
カバー工法や葺き替えを行いますので費用も高額になります。
そのため新築時から塗装の効果が無くなる10年~20年経過した辺りから塗装を考えることが大切です。
適正なタイミングで塗装をすることで屋根材を保護し続けることができます。
屋根材自体の交換よりも塗装の費用の方が少額です。
屋根の葺き替え | 全体の工事費用の目安 80万円~260万円(面積、交換する屋根の材料により変動します) |
---|---|
日本瓦 | 施工費 8,000円~15,000円/㎡ |
スレート(カラーベスト/コロニアル) | 施工費 5,000円~7,000円/㎡ |
ガルバリウム鋼板 | 施工費 6,500円~8,000円/㎡ |
屋根のカバー工法 | 全体の工事費用の目安 60万円~250万円(面積、重ね葺きする材料によって変動致します) |
施工費の他に撤去費、足場費、経費などが含まれ全体工事費用の金額になります。
外壁にも同じことが言えます。
外壁の張り替え | 全体の工事費用の目安 150万円~300万円 (100~200㎡)(外壁材、面積によって変動致します) |
---|---|
カバー工法 | 全体の工事費用の目安 130万円~220万円 (100~200㎡)(外壁材、面積によって変動致します) |
窯業系サイディング | 施工費 4,000円~5,000円/㎡ |
金属系サイディング | 施工費 3,000円~9,000円/㎡ |
樹脂系サイディング | 施工費 8,000円~10,000円/㎡ |
木質系サイディング | 施工費 6,000円~10,000円/㎡ |
施工費の他に撤去費、足場日、経費などが含まれ全体工事費用の金額になります。
塗装工事と比べると大幅に費用がかかることがわかります。
塗装をして、外壁材や屋根材の劣化を防ぎましょう。
まとめ
塗装リフォームとはただ色の塗り替え工事をすることではなく、建物の劣化部分をきちんと修理をしてあげてから、建物を保護する工事です。
新築時から10年~20年で塗料の保護機能は薄れ、外壁材や屋根材が直に雨や紫外線に晒されてしまいます。
外壁材や屋根材が雨や紫外線の影響を受け続けると、ひび割れや、腐食、雨漏りなどの塗装では直らない劣化へとつながります。
建物の保護の他にも、防汚性、遮熱性、高耐久、高意匠など、
塗料によって様々な付与効果がありますので、取り入れたい性能を見つけ塗装リフォームをしましょう。
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