2階が暑い!
1階から2階へ階段をのぼると、暑くてもわ~っとした空気によって一瞬で汗が出てきたりしませんか。
2階の部屋は寝室や子供部屋など日中は使わないという人もいるのではないでしょうか。
冷房を使っている1階の部屋と、2階の温度はどうしてこんなに差があるのでしょうか。
2階が暑い原因はもしかしたら建物にも原因があるかもしれません。
2階が暑い原因と対策について今回は紹介していきたいと思います。
この記事を書いた人
HIKARUのブログ担当 コーキン・グーちゃん
防水工事やリフォームについて勉強しながら記事を書いています。
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目次
部屋が暑くなる原因① 日射、日射熱、日射取得率とは/部屋が暑くなる原因② 輻射熱(放射熱)
・2階の暑さは建物が原因?/快適な温度を保っていられるのは高気密高断熱化のおかげ
自分でできる対策①窓の外から日射を遮る/自分でできる対策②室内から日射を遮る/自分でできるその他の暑さ対策
2階が暑い原因とは
2階が暑い原因は次のようなものが挙げられます。
●日中に屋根に日差しが当たり続けることで、屋根内部(屋根裏)に熱が溜り、天井面が高温になるため。
☞天井面に溜まった熱が部屋にじりじりと放出され(輻射熱、放射熱)、暑く感じられます。
●窓から入る日差しや、ベランダからの照り返しにより、窓の表面、壁や床にも熱が蓄積され、室内の温度も上がってしまうため。(日射熱)
☞窓から入った日差しは、窓表面、床、壁などにもあたり、当たった部分に蓄積した熱が放出され熱く感じます。(輻射熱、放射熱)
●暖かい空気の方が冷たい空気より軽く、上に行く性質があり2階にこもってしまうため。
こういったように様々な要因が重なって2階がとても暑く感じられるのです。
部屋が暑くなる原因① 日射、日射熱、日射取得率とは
日射とは
地球が太陽から受け取るエネルギーであり、地球の大気現象を起こす源です。地表面に届いた日射は地表面や大気に吸収され、地表面や大気を暖めます。
このようにして暖められた地表面や大気からはその温度に応じた赤外線が放出されます。
木に日射が遮られているため(木の葉に日射が吸収され)、地表面に日射は届かないため木陰は涼しい。
日射熱とは
太陽の光によって生じる熱のことです。日射熱は、直接光による「直達日射」と、青空や雲のある部分からの「天空日射」に分けられます。そして、ガラス窓に入射した日射熱が室内側へ流入する割合を、日射取得率と呼びます。
日射取得率とは
日射取得率の数値が高ければ高いほど、日射熱を室内に多く取り入れられるので、暖房効率を重視する地域や部屋に適しています。
夏場は、日射熱が多く入る室内には、窓からの日射熱の侵入を防ぐ遮熱に気をつけなければなりません。
部屋が暑くなる原因② 輻射熱(放射熱)
輻射熱(ふくしゃねつ)とは、遠赤外線などの熱線によって伝わる熱のことで、太陽や機械から放出される熱は輻射熱です。
地球上の大地をはじめ、建物の屋根や外壁を暖め、その周りの空気が大地・建物に触れることで熱を吸収し外気温が上昇します。
建物内が熱くなる原因は太陽の輻射熱により建物の屋根や外壁が熱せられ、次に屋根・外壁から輻射熱が建物内に放出されるからです。
熱移動の三原則
熱の伝わり方は伝導・対流・輻射(放射)の3種類に分けられます。
伝導とは
物質を介して熱が伝わることです。手に触れた時に暖かい、冷たいと感じることが熱伝導です。
対流とは
エアコンは対流を利用したものです。暖かい風や冷たい風を送り空気が動くことで、温度を感じることができます。
輻射(放射)とは
物体を介さずに赤外線を介して離れたところに熱が伝わることを輻射(ふくしゃ)といいます。
ストーブやこたつ電気ヒーターなどの暖房器具などから暖かい熱を感じられるのが輻射です。
人体を含めて、家電など、室内のあらゆるものが遠赤外線を発しており、高温な物質から低温な物質へ輻射熱(放射熱)が移動しているのです。
屋根は表面温度が80℃になる事がある
屋根の表面温度は夏場80℃以上になる事もあります。
それに伴い屋根裏の温度も60~70℃まで上がるといわれています。
例えるなら、ストーブを屋根裏で使用しているのと同じような状況といえます。
ですので、暖められた天井から高い温度の輻射熱が室内に移動してきているのです。
輻射熱が天井から放出されると頭だけがじりじりと熱を感じ、不快な気分になります。
なぜ不快なまでに熱い熱が天井から放出されてしまうのでしょうか。
天井には断熱材が敷き詰められており、断熱材には伝導熱と対流熱が室内に移動するのを低減させる役割があります。
しかし、断熱材だけでは輻射熱を遮断することはほとんどできません。断熱材と合わせて遮熱シートやアルミシート、熱反射シートなどを屋根に利用することで、伝導熱、対流熱、輻射熱の3つの熱移動を遮断することが可能です。
断熱材が不足している場合、きちんと敷き詰められていない場合には十分な効果を発揮できません。
十分な効果を求めるためには断熱材+遮熱シートや熱反射シートを組み合わせて施工してもらいましょう。
2階の暑さは建物が原因?
快適な温度を保っていられるのは高気密高断熱化のおかげ
エアコンや暖房器具で家の中が快適な温度に保っていられるのは、断熱性能と気密性能のおかげです。
断熱と気密がセットで機能することで、外気温の影響を受けず、室内のエアコンの冷気や暖気を外へ逃がしにくくしてくれます。
しかし逆を言えば、住宅の高気密高断熱化が進むことによって、逆に”夏は暑くなってしまう”といったことも考えられます。
「建物に入った熱」と「建物の中で発生した熱」が外に逃げにくくなる現象が起きてしまうからです。
このように、夏場の一度温まった室内の温度は自然に下がりにくいです。(しばらく窓を開けたり、冷房をつけると温度は下がります。)
2階が暑い!とお悩みの方は、2階を日中使わずに、窓を閉め切っていたりすることがほとんどだと思います。
高気密高断熱化のおかげで、日中暖められた空気が外へ移動することなく帰宅時間まで留まっていたり、就寝時に2階へ上がると暑い!と感じるのです。
高気密高断熱のメリットが夏場だと裏目に出てしまっているようですが、夏のこのお悩みとうまく付き合っていくことで、一年中快適に過ごすことができるのも高気密高断熱の特徴です。
リフォームで高気密・高断熱化できる?
断熱リフォーム
屋根や天井、床などは点検口などから入り、現在の建物の様子を把握することができます。
確認ができ、断熱材が不足しているようなら追加することも難しくありません。
壁の場合は壁の取り壊しを行わなければなりませんので費用が多くかかってしまいます。
気密リフォーム
高気密機能を後からリフォームで付加することは現実的に難しいです。
高気密住宅は、設計の段階で隙間を極力減らして計算されて作られていますので、1カ所だけを塞げば気密になる事はありません。
窓、窓枠の間、柱と床の隙間などわずかな隙間が重なって大きな隙間ができています。
床材や壁材などを全部剥がし、柱、梁などを構造部材を露わにして「フルリフォーム」をするのがおすすめです。
現段階で、建物に断熱材が劣化している、断熱材が入っていない場合はグラスウールを充填し、部分的に発砲ウレタンスプレーを施工するだけでも、気密性の向上になります。
費用について
費用相場 |
工期 |
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壁の断熱リフォーム | 1万円~ /㎡ | 2週間~ |
天井の断熱リフォーム | 5,000円 /㎡ | 2日~ |
床の断熱リフォーム | 5,000円 /㎡ | 2日~ |
費用相場 | 工期 | |
高気密リフォーム | 500万~ | 2か月~ |
2階の暑さが気になるという場合にお勧めなのが、天井または屋根のの断熱リフォームです。
全体をリフォームする場合に比べて、費用は大幅に節約できるでしょう。
リフォームするのはちょっと・・・という方は、窓からの日射を遮る方法を試してみてはいかがでしょうか。
次に挙げるのはリフォームせずに部屋の温度を和らげる方法です。
自分でできる2階の暑さを和らげる方法
室内の温度を上げさせないためには、必要以上の日射を室内に入れないようにする、日差しを入れないという事が一番簡単にできる暑さ対策です。
窓から入る太陽の日射しと室温の関係
寒い冬の窓際は日差しのおかげで、ぽかぽか暖かいですよね。
そういった経験から、窓などを通して、暖房を使用しているかのような熱エネルギーが室内に入ってきていることがわかります。
自分でできる対策①窓の外から日射を遮る
窓の外にすだれやよしず、ロールスクリーンを設置する方法で日射を遮ることができます。
窓の外につけることで窓やサッシが熱くなることも防ぎ、室内の温度の上昇を抑制してくれます。
すだれ・よしずのメリット
◎夏の雰囲気に合う
視覚的に涼しさを演出してくれます。見た目だけでなく、日遮蔽効果も十分あり、風通しもよいです。
◎安く手に入れられる
ホームセンターでお手頃な価格で入手できます。
外部ロールスクリーンのメリット
◎おしゃれに見える
◎格納できるため一年中取付・取り外しの手間がいらない
◎高い遮光効果が期待できる
一枚1万円~4万円の費用が掛かります。窓の大きさを測ってサイズをオーダーすることができるため、大きさによって金額が変動します。
複数の窓に取り付ける場合や大きな窓に取り付ける場合には、高額になってしまいます。しかし、日遮蔽効果は抜群で、見た目もスタイリッシュなため一年中使用しても不自然に感じません。
外部ロールスクリーンのつけ方について
自分でできる対策②室内から日射を遮る
屋外から日差しを遮る方法よりも、少し効果は落ちますが、それでも対策を行うと十分に効果が期待できます。
カーテンが遮光性能が低い物を使っている場合は遮光性能が高いものに変えてみてはいかがでしょうか。
遮光カーテン |
厚地のものほど、遮光効果が期待できます。等級により遮光率が変わってきます。開け閉めしやすく、扱いやすいです。 |
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ハニカムスクリーン |
横から見ると蜂の巣の形が縦に連なった立体生地構造になったブラインドです。蜂の巣構造で窓と室内の間に空気層を作りだし、断熱効果や保湿性を発揮します。一年中効果を発揮し、窓から伝わる外気をブロックしてくれます。高い省エネ効果を発揮するスクリーンです。 デメリットとしては購入費用が高額になる事、結露が起こりやすいことが挙げられます。 |
ロールスクリーン |
窓の上部などに取り付け、ロール状に収納されている生地をひもなどで引っ張り垂れ下げて窓を覆います。フラットな生地で窓を覆うことができるので、お部屋のインテリアにも合わせやすくスタイリッシュな印象を与えてくれるスクリーンです。遮光・遮熱に優れているロールスクリーンもあり、デザインや生地の種類も多くなっています。 デメリットとしては生地が薄いものが多いため、カーテンと比べると遮光性や遮熱性が低い、出入りを頻繁に行う掃き出し窓に使うとあげたり下げたりしなければならない、単体で使うと全部巻き上げた時に部屋が丸見えになってしまう、などがあげられます。 |
プリーツスクリーン |
窓廻りに設置し、蛇腹状になっている生地を上下に開閉して使うスクリーンです。最近ではポリエステルや不織布などの他にも和室に合う和紙のような風合いの生地のものなど様々な質感のものがあります。遮光性や遮熱性のあるプリーツスクリーンもあり、上は「レース生地」下は「厚手生地」などといったツインタイプのものあります。 デメリットとしては出入りを頻繁に行うような掃き出し窓には向かない、洗濯できない、コードの穴から日差しが漏れてしまう、カーテンと比べると購入費用が高くなることなどが挙げられます。
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自分でできるその他の暑さ対策
・ベランダや外壁に打ち水をする
打ち水をする時は5分くらいかけて数回まくのを1セットにすると大きく効果が高まります。
強い日差しが差し込む日向で水を撒くと、すぐに蒸発してしまい湿気で逆に暑くなってしまいます。朝夕の比較的気温が低い時間帯や、日陰で行うと効果的です。
※打ち水で2次利用水を使用する時は注意が必要です。
参考サイト|打ち水で2次利用水を使用する場合は、以下の点にご注意ください。|TOTO
※路面だけでなく、屋上や、ベランダでも、「壁打ち」でも、室外機の周りでも、日向でも日陰でも効果あり。
※打ち水は、「風通しの良い場所で」、「できる限り広範囲に」行うとより効果的とのアドバイスも。
また、「朝夕の時間帯に」、「日向よりも日陰で」行うとより効果的とのご意見や、「道路からの照り返しによる暑さの対策には、昼間や日向の打ち水も効果的」とのご意見も寄せられています。ぜひいろいろと試してみてね。
打ち水の効果
・水が蒸発する際の気化熱の働きで周囲の温度が下がる
・水が地表にある状態にすると地面の気温が上がりにくくなる
・濡れた地面を通る風も冷やされて涼しくなる
・水が蒸発する際、打ち水をした場所の気圧が上がり、空気が流れることで ”風が生まれる” 効果も期待できます。
ベランダに打ち水をすることにより、室内の気温も下げることが可能です。エアコンの利用を減らし、夏場の節電につながります。
朝方にベランダに水を撒けば、2階室内の室温を上げにくくし、夕方の帰宅時間に打ち水をし窓を開けておくことで、涼しい風が室内に入ってきます。
※マンションなどではベランダの水まきを禁止している所もあるようなので注意が必要です。
ベランダに打ち水をする前に・・・!
ベランダやバルコニーの劣化はありませんか?
ベランダやバルコニーには防水層が施してあります。剥がれやひび割れが見られたら雨漏りの原因になるかもしれません。
株式会社HIKARUで行っているベランダ・バルコニーの修理についてはこちらをご覧ください。
外壁に打ち水をする場合も注意が必要です。
※外壁の下から上方向に向けて水を勢いよく掛けないでください。外壁の構造上、外壁に水が入り込んでしまう場合があります。上から下に向けて打ち水をしましょう。
また、外壁にひび割れや剥がれなどが見られた場合は、その部分には水を掛けないようにしましょう。外壁塗装が劣化しており、水に当たり続けると外壁材が劣化してしまいます。
外壁の塗り替え時期の目安
・外壁を触ったら手に白い粉が付く(チョーキング)
・外壁にひび割れ、膨れ、剥がれなどが見られる
・カビや苔が生えている
このような症状が見られたら、塗り替えを検討してみてください。
外壁や屋根を遮熱塗料に塗り替えると、外壁内部の温度が上がりにくくなります。
塗装工事で夏の暑さを和らげるという方法もありますので、参考にしてみてください。
外壁塗装の目安や自分でできるメンテナンス方法についてはこちら
外壁・屋根の塗装工事に使われる塗料の種類や費用についてはこちら
まとめ
2階の暑さは様々な要因が重なって起こる現象だという事がわかりました。
ご自身で2階の暑さ対策を行う方法として、すだれやロールスクリーンの設置や打ち水などの方法があります。
窓からの日差しを遮ることで、室内の温度を上がらなくすることができますので是非お試しください。
もうすでに試しているけど、エアコンが効きにくい、暑さが気になる場合は、株式会社HIKARUにご相談ください!
断熱材がきちんと敷き詰められているのか、断熱材を追加したいなど、断熱リフォームのご相談もお待ちしております。
また今回の記事では詳しく触れなかった、外壁塗装や屋根塗装を遮熱塗料に塗り替えることも建物の暑さを和らげる方法の一つです。
お気軽にご相談ください。
お問い合わせはメールかお電話で!お気軽にご相談ください。