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サイディング塗装とコーキング目地の関係 塗り替え・打替えのポイント

 

 

 

現在の住宅のほとんどはサイディングボートと呼ばれる仕上げ外壁材を複数枚組み立てて作られています。

どんな外壁材にも必ず接合部がありますのでそこにコーキング材を打ちます。

この接合部分(隙間)のことを目地と呼びます。

 

サイディングボードは工場で塗装まで仕上がった状態で販売されていますので、

一定の品質比較的安価工期短縮といったメリットがあります。

しかし、デメリットとしては新築の場合ですと、コーキングが後打ちで施工されるため上からの塗装による保護がされませんので紫外線や風雨、汚れに晒された状態になります。

 

10年が外壁塗装の目安といわれていますが、

コーキング工事の目安は約5年~10年であり、少し早く劣化がみられます。

劣化がみられたらすぐにコーキング補修をしなければならないというわけではありませんが、

外壁塗装とコーキングを同時にメンテナンス(補修)することが工事費用を考えると一番です。

 

もちろんコーキングだけ行うこともできます。

しかし、外壁塗装をする時にはコーキングも打ち替えられるといったように、基本的にセットで工事が行われます。

ですので、先にコーキングだけ工事を行うとなんだかもったいない気がしますよね。

また足場の設置もコーキング工事・塗装工事どちらにも必要となってきますので、その費用についても考えなくてはなりません。

 

 

このようにサイディングボードとコーキングは密接にかかわっていますので、どのような関係があるのか、種類や耐用年数の違いなどを知って工事の参考になればと思います。

 

1. サイディングボードとは

2. サイディングの種類

3. サイディング塗装

4. コーキングについて コーキングの先打ち・後打ち

5. サイディングボードのコーキング目地の打ち替え・塗装をしたい時のポイント

 

 

 

 

サイディングとは

サイディングボードのこと。外壁材の一種です。仕上げ板材などともいわれます。

住宅のほとんどがサイディングボードを使用しています。

主原料の違いによりメリット・デメリットがあります。ほとんどの住宅では窯業系サイディングが使われており、

その次に金属系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングが使われています。

 

 

 

サイディングの種類について

窯業系(ようぎょう)サイディング

主原料 セメントや繊維質を混ぜて固めたもの。
メリット 耐震性、耐火性、デザインやカラーが豊富でレンガ調やタイル調など様々な質感のものがある。
デメリット 素材自体に防水機能がないので、定期的なメンテナンスが必要。熱がこもりやすい。
寿命 20年~40年。
特徴

塗料や機能、デザインにより価格や耐用年数の幅が広いです。安価なものですと工場で塗られる塗料も安いものが使われている場合があります。

建売住宅などで多いです。早いもので10年以内から劣化がみられる場合があります。

 

金属系サイディング

主原料 スチール、アルミニウム、ステンレス、ガルバリウムなど 裏打ち材と呼ばれる断熱材が施されています。
メリット 断熱性、防音性、軽量、耐震性、凍害に強い、カバー工法(外壁の重ね張り補修)に使われることが多い。
デメリット 熱がこもりやすい、キズが付きやすい、錆が発生しやすい、酸性雨、塩害を受けやすい
寿命 20年~40年
特徴 表面が傷ついたりしたら、錆を予防するために補修をしましょう

 

木質系サイディング

主原料 天然木材に塗装をして作られたサイディング
メリット 木特有の温もり・美しさ、断熱性が高い、環境にやさしい
デメリット 比較的高価、防火性・防水性が低い、取り扱いメーカーや工事できる業者が少ない、こまめなメンテナンスが必要
寿命 15~40年 劣化が早め。
特徴

 窯業系や金属系サイディングにはない自然な外観にすることができます。クリヤー塗装をすることで木目を生かしたメンテナンスをすることができます。

 

樹脂系サイディング

主原料 塩化ビニル樹脂
メリット 凍害に強い、30年メンテナンスが不要、コーキング使用しないので補修が不要、軽量、カバー工法(外壁の重ね張り補修)に使われたりしています。
デメリット 取り扱いメーカーや工事できる業者が少ない、デザインや色のバリエーションが少ない。施工費が比較的高価。薄いので防音性に欠けます。
寿命 30年
特徴 北米で主流となっているサイディングボードです。日本では北海道などの寒い地域で使われることが多いです。

 

サイディング以外の外壁材

乾式工法 ALCパネル
乾式または湿式工法 タイル石材人造石
湿式工法 モルタル漆喰

 

サイディングボードは乾式工法です。

乾式工法とは:工場で生産された建材を組み立てたり、張り上げていく工法です。

湿式工法とは:現場で材料を混ぜ合わせ、それを刷毛や͡コテなどで壁を塗り上げていく工法です。

職人の熟練した技を必要とする工法で、自由度が高く、独創性のある外観を表現できます。

 

サイディング塗装について

サイディングボードの寿命は塗り替えなどのメンテナンスをすることで最長の年数まで伸ばすことができます。

塗料の種類

塗料の種類と特徴を表に簡単にまとめてみました。

種類 耐用年数 特徴
アクリル 3~8年 種類豊富。比較的安価。耐用年数が短い。
ウレタン 6~10年

比較的安価。耐久性が低いが、防汚性がある。施工しやすい塗料。

シリコン 8~15年 現在住宅で最も使われている塗料。耐久性にも優れており、コストパフォーマンスが良い。
フッ素 12~20年 防汚性に優れている。高耐久。比較的高価。施工するの
ラジカル 8~15年 チョーキング現象を防げる。防汚性、防カビ性に優れている。シリコンと同じくらいの価格と耐用年数。
光触媒 10~20年

紫外線に当たることにより外壁に付着した汚れを分解して落とせる作用を持っている。高価だが、耐用年数も長い。

無機 10~25年 高価。一番耐用年数が長い。耐候性、防火性に優れている。カビや苔を寄せ付けない。メンテナンス回数が少なく済む。

 

 

 

外壁塗料を選ぶ基準

 

○機能と価格を合わせて判断する

○耐用年数で決める

○サイディングに適した塗料を選ぶ

窯業系サイディング アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、光触媒、無機
金属系サイディング フッ素、シリコン
木質系サイディング ウレタン、シリコン(クリヤー仕上げ、塗りつぶし仕上げ)
樹脂系サイディング 外壁材自体に顔料が含まれているため基本的に塗装は必要ない。万が一色褪せた場合には部分張り替えをした方が早い。

 

 

クリヤー塗装

 

上記塗料の種類のうちの透明色を使った塗装をクリヤー塗装といいます。

新築時のサイディングのデザインを生かしたい場合はクリヤー塗装をおすすめします。

その場合サイディングに劣化や色褪せが極度に見られる場合は塗装できませんので、

デザインにこだわりがある人は基本的な塗装の目安である10年には塗り替えするのが望ましいです。

 

 

コーキングの「先打ち」・「後打ち」について

冒頭でサイディングボードを使った住宅の新築時にはコーキングは後打ちをするとお伝えしましたが、

コーキングには「先打ち」と「後打ち」というものがあります。

 

 

まずコーキングについてです。

サイディングボードの接合部分の隙間は目地と呼ばれています。この目地と呼ばれるところにコーキング材を打ちつなぎ合わせます。

なぜコーキングが必要なのかというと、

コーキングには役割があり

目地から雨水が侵入することを防ぐ防水の役割

目地に打つことでサイディングボード同士を繋ぎ合わせ、

地震や温度変化によっておこる建物の動きに合わせて伸び縮みし、

破損などを防ぐクッションの役割を担っています。

 

コーキングの耐用年数は5~10年で、紫外線に弱く、経年劣化によりひび割れを起こしたり、剥がれてしまったりします。

ですので定期的なメンテナンスが必要です。

コーキングの打替えと外壁の塗り替えは基本的にセットで工事を行うことが多いです。

 

 

そして、このコーキングの「先打ち」と「後打ち」は塗り替えの時にも関わってきますので簡単に説明したいと思います。

 

 

先打ちとは 

コーキングを塗装より先に施工することです。

なぜ先打ち?
コーキング材の方が塗装よりも経年劣化が早く現れます。コーキング材の上から塗装をすることで、コーキング材を保護することができ、コーキング材の極端な劣化を防ぐことができます。
メリット  コーキングの上に塗装をするので紫外線などによる劣化を防いでくれます。コーキングが目立たなくなり外壁の見た目がフラットになります。
デメリット コーキングの伸縮に塗装が対応しきれず、ひび割れを起こします。先打ちする場合は塗装の色とコーキングの色を合わせて選び、ひび割れても目立たないように考慮します。またコーキング材の成分が外壁に滲み出し黒くなるブリード現象の原因にもなります。この場合あらかじめノンブリードタイプのコーキング材を使用するか、ブリードオフプライマーというものを塗装をする前にコーキング材に塗ることで防ぐことができます。

 

後打ちとは

コーキングを塗装をした後に施工することです。

なぜ後打ち?
新築のサイディングボードの場合、工場で塗装まで仕上げられます。したがって現場で塗装は行われず、サイディングボード同士の隙間にコーキングを打つのみで完成となります。そのためサイディングボードで作られた住宅のほとんどはコーキングの上に塗装はされていません。また無色透明のクリヤー塗装をする場合にもコーキングは後打ちになります。
メリット  塗装のひび割れを心配する必要がなく、見た目が綺麗です。コーキングの劣化にすぐに気づくことができます。ブリード現象も起こりにくいです。
デメリット コーキングの上に塗装をしないので、紫外線の影響を受けやすくなってしまいます。塗装よりもコーキングの方が早く劣化症状が現れるため、メンテナンス費用が多くかかる可能性があります。

 

 

外壁塗装用の塗料メーカはひび割れやブリード現象を起こさない「後打ち」を推奨しています。

しかし、塗装の色とコーキングの色を合わせることで、「先打ち」をしてひび割れをしていても遠目からは目立ちません。

ちょっとのひび割れでも嫌なようでしたら「後打ち」にしましょう。

コーキングの劣化を考えると「先打ち」をして塗装でコーキングを保護することをおすすめします。

コーキング材・塗料の選定により「先打ち」ができない、「後打ち」ができないものがあります。業者さんと相談しながら決めていきましょう。

 

 

 

サイディングボードのコーキング目地の打ち替え・塗装をしたい時の目安

今工事を行うべきかどうか

 

○新築時から何年たっているか

1~5年 気になる場所があれば施工不良も考えられます。施工業者に問い合わせてみましょう。
5~7年 場所によりひび割れなどが見られますが、劣化症状の程度により様子を見ても大丈夫です。
7~10年 コーキングの打替えをした方がよい時期です。塗装の塗り替えも合わせて考えましょう。
15~20年 劣化症状が目立ってきます。放っておくと建物の寿命に関わります。塗装+コーキング工事を行いましょう。
20年以上 これから先も住み続けるのであれば早急に外壁塗装+コーキング工事を行わなければなりません。塗装の他にも大規模な補修が必要になってくる可能性があります。

 

○一度塗り替えやコーキングを打ち替えている

材料にもよりますが塗り替え時から10年が塗装の目安です。その時に一緒にコーキングも打ち替えてもらいましょう。

また初めて塗り替える時に耐用年数が長いものを選ぶとメンテナンス周期を伸ばすことができます。

高耐久のコーキング材や塗料を選ぶとその分費用も高くなりますが、予算に余裕がありメンテナンス周期を伸ばしたい場合には高耐久のものを選ぶといいでしょう。

 

○建売住宅の場合

安価な塗装やサイディングが使われている場合がありますので、調べることができたらどのような物が使われているか調べましょう。

塗料によって耐用年数が違いますので、塗り替えを考える参考になります。わからない場合は築10年を目安にコーキング+塗装工事を考えましょう。

 

○あとどれぐらい住み続けるか

引っ越す予定がある場合、数年以内に建て替える予定や、あとを継いで住み続ける人がいない場合など、外壁塗装やコーキング工事を行わなくてよい場合、もしくは最低限の工事だけを行った方が良い場合などがあります。

気になる症状がある場合は業者に見てもらいましょう。

 

 

 

まとめ

 

サイディング塗装とコーキング目地は密接に関わっているということがわかりましたでしょうか。

 

できるだけ費用を抑えるためにはコーキング工事とサイディング塗装を一緒に行うということが1番だと思います。

しかしコーキングの耐用年数とサイディング塗装の耐用年数は同じではありませんので、

違いを知った上で、

外壁塗装とコーキングの打替えをする

コーキングのみ工事をする

高耐久の材料にする

などといった選択肢を少しでも知っておけたら今工事を行うか考える参考になると思います。

 

住むために不自由しないのであれば塗装やコーキング工事は必要ないと感じるかと思いますが、

工事が必要かどうかの主な判断基準としてはサイディングボードの耐用年数や塗料の塗り替え目安、

コーキングの交換目安など、メーカーが推奨しているものが基準となっております。

 

耐用年数より早く劣化が出る場合や劣化症状が出ない場合もあるためお客様自身で判断するのは難しいと思います。

専門業者でも難しいところであり私たちはメーカーの推奨を基準に

築年数や劣化が見られるかで判断をして工事を提案をします。

 

雨漏りしてないから塗装工事やコーキング工事はまだ大丈夫!というのであれば、それもいいでしょう。

 

適切な時期にサイディングのメンテナンスをしてあげないと住宅の美観にもかかわってきます。

お家の外観が気になる人はサイディング塗り替えやコーキング工事を定期的に行うことが理想的です。

 

サイディングの場合ですと塗料の耐用年数が過ぎているのにもかかわらず、塗装を行わないと、防水機能が低下した状態が続くことになります。

雨漏りの原因や、ひどい場合は大規模修繕になり費用が高額になってしまう可能性もあります。

ですので、ずっと住み続けるお家であれば10~15年ごとに塗り替えなどメンテナンスすることをおすすめします。

 

 

株式会社HIKARUではお客様からのお問い合わせをお待ちしております。
サイディングボードの塗り替えをしたい、目地のひび割れが気になるなど、気になる箇所がございましたらお気軽にお問い合わせください。