台風や大雨が多い近年ですが、
それに伴い、気づいたら換気扇から雨がポタポタと落ちているといった現象に悩まされている人はそう少なくありません。
様々な原因によっておこる換気扇からの雨漏りについて詳しく解説していきたいと思います。
まず今現在換気扇から雨漏りが起きているという方は下のチャート図を参考にしてみてください。
原因箇所をご自身で判断するための簡易的なものですので、参考程度にご利用ください。
目次 考えられる原因
○強風の影響で雨水が換気口内に吹き上げられ、室内に入り込んだ可能性。
などが挙げられます。
原因について詳しく説明したいと思います。
株式会社HIKARUは群馬県伊勢崎市にあるコーキング工事・防水工事を得意とした外装リフォーム会社です。
雨漏りや外壁の劣化など気になる事がございましたら、お気軽にご相談ください。
外壁側に屋外フードはついているか
雨の吹込みを防止するためには、換気扇がどのタイプでも屋外フードが付いているのと付いていないのでは違います。
換気口に取り付けるものをガラリと言い水の侵入を防ぐ羽根の形で種類が分けられています。
ガラリのみでは防げない場合はフード付きの物に交換するか、上からフードを付けます。フードも形によって様々な種類があるので、換気口やフードの開口面積の大きさよって選びます。
屋外フードが付いていない場合でも雨水の吹込みが見られないこともありますが、
もし現在、屋外フードが付いておらず、雨が降った時に吹き込む様子が確認できた場合には屋外フードを取り付けることを考えた方がよいでしょう。
また屋外フードも素材によって劣化しやすいものもあります。
屋外フードの素材の種類
プラスチックなどの樹脂製のもの
特徴
・比較的安価
・比較的寿命が短い
アルミやステンレスなどの金属製のもの
特徴
・樹脂製のものに比べると値段が高い
・紫外線による影響を受けにくい
これから取り付けるという方には金属製のものの方が長持ちするのでお勧めです。
プラスチックなどの樹脂製のものは紫外線の影響により劣化しやすいですので、
金属製のものより比較的短い期間で、ひび割れや欠けによる穴が開くなどの劣化症状が見られます。
価格で選ぶならプラスチック製のものが良いでしょう。
台風などが接近していたり雨漏りが心配な人は前もって屋外フードが劣化していないかどうか確認してみてください。
強風の影響で雨水が換気口内に吹き上げられ、室内に入り込んだ可能性
台風や強風を伴ったゲリラ豪雨の時は、換気扇から室内へ雨水の侵入がよく見られます。
いつもの雨とは違い、風の影響で雨の落ちる角度が変わります。
外壁に垂直に叩きつけるような雨や、強風によって下から上へ吹き上げるような雨になる事もあります。
屋外フードは、上から下方向、外壁に対して水平に落ちる雨を避けることを前提に作られているため、
台風などの雨は言ってしまえば想定外のものになります。
ですので屋外フードが付いている場合でも、換気扇から雨漏りをしてしまう場合があります。
こういった場合は、雨漏りも少量であったり、
一時的なものであることがほとんどですのであまり気にしなくても大丈夫です。
しかし、水浸しになる場合は二次被害を防ぐために対処が必要です。
二次被害を防ぐために
水浸しになった時に一番気をつけなければならないことは、床や壁や家具などに水が染み込まないようにすることです。
◎周辺の床にはレジャーシートや防水シートを敷いて、水はねが起きてもいいようにするといいでしょう。
◎水が垂れてくる真下には、バケツや受け皿などを置き、水が溜まったらこまめに捨てましょう。
◎バケツなどが置けない場所の場合はタオルを置き、染み込んだら絞ってを繰り返して水を流しましょう。
濡れたまま放置しておくと、フローリングや壁などの木材はカビが発生したり、白アリが発生したり建物の腐食を進めるだけでなく、健康被害にも繋がります。
雨が止んだら窓を開けっ放しにするなどしたり、水が染み込んでしまった箇所にドライヤーを当ててみるなどして乾燥させるといいです。
換気扇のタイプと雨漏り
換気扇から室内へ雨水が侵入することは新築や築年数に関わらず起こる可能性があります。
それは室内と外が直接穴で繋がっている場所と言えるからです。
換気扇の種類によって雨水が入り込みやすいものがありますので、どんなものがあるのか確認をしましょう。
プロペラファンタイプ
プロペラファンとは、扇風機の羽のような形をし、
キッチンのコンロ周辺やお風呂にも設置されています。
プロペラファンは壁に貼り付けるように設置し、外に空気を直接排気します。
排気量が多く、コンロ使用時に出る水蒸気や煙などを排出するため壁に開ける穴は大きくなります。
外気や風の影響を受けやすいです。
直接貼り付けるように設置されているため、外壁側に屋外フードが設置されていない場合ですと、強風を伴った時、雨水が入り込みやすいです。
シロッコファンタイプ
シロッコファンとは、側面に沿って比較的幅の狭い多数の羽が付いた円柱状のファンが回転して空気を入れ替えする換気扇のことを言います。
キッチンのレンジフード以外にもトイレや浴室に天井埋め込み型のシロッコファンタイプの換気扇が設置されています。
ダクトを通して外に空気を排出するため外気や風の影響を受けにくいです。
ダクト内に施工不良や劣化が見られると、気づかないうちに雨漏りが進行していたという場合があります。
プロペラファンタイプの換気扇よりかは、ダクトが設置されている分雨水が室内まで入り込むような雨漏りはしにくいです。
様々な種類の羽根
外壁に貼り付けるように設置しなければならないプロペラファンタイプは、外と直接つながっているため雨水が入りやすいと言えます。
シロッコファン、ターボファンなどの場合はダクトを通して排気を行うため雨水が室内まで入り込みにくいと言えます。
換気扇の劣化
換気扇には経済産業省が制定した設計上の標準使用期間と経年劣化についての注意喚起等の表示がされています。
設計上の標準使用期間が過ぎたら、異常な音や振動、においなど製品の変化に注意しましょう。
表示例⚠
【製造年】20XX年
【設計上の標準使用期間】△△年
設計上の標準使用期間を超えて使用されますと、経年劣化による発火・けが等の事故に至るおそれがあります。
長期使用による重大事故を防ぐため、経年劣化による事故が多く発生している製品について表示されているものです。
換気扇の標準使用期間は約10~15年と製品によって幅があります。
2009年4月以降に製造された換気扇には表示されていますので、一度確認してみると良いでしょう。
長年の使用に伴い、どの種類の換気扇も経年劣化します。キッチンの換気扇では油汚れが原因でプロペラやモーターに負荷ががかかります。
油汚れだけではなく埃などがプロペラやモーターに汚れが付着したまま使用すると、
負荷がかかり続け、異音や変形などの原因なります。
換気扇の劣化は直接雨漏りに繋がるものではありませんが、異音や変形が見られたまま使用を続けますと、
外壁と換気扇に隙間ができてしまったり、シャッターが閉まらなくなってしまったりなど雨漏りの原因になりかねません。
早めに新しいものに交換しましょう。
ダクトの劣化
またシロッコファンなどのダクトを使って排気するものですと
ダクトが何らかの原因で劣化していたということもあります。ダクトは直接目で見ることができない場所にあるため、なかなか気づくことができません。
極まれにダクトが外れていたり、切れていたり、勾配が取れていないなどの施工不良が起きている場合があります。
換気扇内に雨水が逆流したり、切れている所から天井内に流れてしまったりを繰り返すと建材の腐食などに繋がりかねません。
換気扇付近の天井裏からポタポタ音がする、雨が降った時に換気扇付近から雨水が落ちてくるなどの症状が見られましたら、
ダクトに問題があるかもしれません。
換気扇周辺の外壁材の劣化
換気扇は外壁に穴を開けて取り付けているため、周辺の外壁材の耐久性にも影響します。
ダクト換気を行うものよりもプロペラファンなどの直接換気を行う換気扇の方が
外壁に開ける穴が大きくなるので、耐久性がより低くなります。
建物は日常的に気温の変化で収縮したり、車の振動や、地震の揺れなどの影響を受けています。
外壁と室内が繋がっている開口部といわれるところは、特に動きの影響を受けやすく、外壁材のひび割れがよく見られます。
開口部とは、建物の構造で、窓、出入り口、換気口などの総称です。換気、採光、通行、眺望などのために開放された部分のことをいいます。
換気口周りも開口部であるので、ひび割れが起きやすい箇所です。
外壁の比較的高い位置にあるため目につきにくいため、ひびが入っていても気づかないことが多いです。
外壁のひび割れから換気扇を伝って雨漏りをした場合、外壁材内部の防水シートや木材などにも雨水が侵入している可能性があります。
防水シートに雨水が吸収された重さでズレて換気口周りだけ防水されていない状態になってしまったり、
天井や壁紙、柱などの建材に雨水が染み込み腐った状態になり
見えないところで建物の寿命に関わってくる可能性があります。
外壁屋外フード廻りのコーキングの劣化
外壁に取り付ける屋外フードなどには必ず接合部分をコーキング処理をして、隙間を埋めます。
接合部分からは雨水が侵入しやすいので、コーキングが劣化していると雨漏りする原因となりかねません。
屋外フードが取り付けられた換気口は直接室内とつながっていますので、
コーキングのひび割れ
コーキングが切れている
コーキングの剥がれ
などが見られましたら、早めに対処をしましょう。
自分でコーキングを行う方法
外壁にひび割れがある、屋外フード廻りのコーキングが切れているなどの症状が見られましたら、応急処置として自分でコーキングをするということもできます。
しかし高いところを脚立で一人で作業をすることはとても危険ですし、外壁の表面が濡れているとうまくくっついていなかったということもありますので、まずは業者に相談してみましょう。
自分で応急処置としてコーキングをしたいという方はこちらをチェック➡【DIYコーキングの失敗例】やり直しにならないためのチェックポイント。
結露の可能性
外壁に何も異常がなく、換気扇から水が落ちてきた場合は結露の可能性があります。
結露は外気と室温の差があるなど温度の差で起こる現象です。
特に冬や、梅雨から夏にかけてよく見られます。
冷房や暖房の空気が逃げてしまうことを懸念して長時間換気扇を稼働させないと、ダクト内に空気が滞留してしまいます。
そうすると結露し水滴が溜まることで、受けきれなくなった水がポタポタと垂れて雨漏りしているように見えるのです。
例えばダクト内の空気を滞らせないために、料理をした後はすぐに換気扇を消さない、お風呂に入った後はしばらく換気扇を付けておくなど気を付けるといいです。
結露しないためにも、普段から換気扇のスイッチを入れておいたり、定期的に窓を開けるなどして換気を心がけましょう。
簡単にできる結露対策
①換気扇を回す
②ドアを締め切らない
➂窓を開けて換気をする
④エアコンなどの除湿機能を使う
➄水滴を拭き取る
換気扇以外から雨漏りの可能性
最後に挙げるのは換気扇以外からの雨漏りです。
天井や、別の場所から雨漏りが換気扇を伝って、垂れてきた水が原因だということもあります。
屋根、ベランダ、バルコニーなどは雨漏りの原因になる事が多い箇所です。
屋根からの雨漏り
築20年~30年経っていて一度もメンテナンスをしていない場合は屋根からの雨漏りに注意しましょう。
台風による被害も多く、築年数が経っていると屋根材が飛ばされてしまうことがよくあります。
屋根は、雨仕舞のための板金、屋根材、防水シートで構成されており、板金や屋根材がズレて少し劣化していても、
防水シートがあるので、内部にまで雨水は侵入してこないようになっています。
天井に雨シミが見られた場合は、雨水が内部に侵入しているということなので、業者に相談しなければなりません。
ベランダ・バルコニーからの雨漏り
ベランダ・バルコニーも雨漏りが起こりやすい場所です。
築年数が20年以上経っていて、防水に劣化が見られた場合や、壁や床にひび割れがある場合には室内にまで雨水が侵入する恐れがあります。
壁内などにも防水シートが貼られていますのですぐに雨漏りはしませんが、築年数が経っている、ひび割れを何年も放置している場合は注意が必要です。
また、排水口が詰まっている場合、台風や大雨の際に雨水が溜まってしまい室内や、下の階に雨漏りの被害が出てしまいますので、
定期的に排水口の掃除をするといいでしょう。
◎天気関係なく上の階からの漏水が原因の場合もあります。水栓の閉め忘れ、洗濯機の給水ホースが外れていた、お風呂の水を溢れさせた、など
大雨や台風がくるときは注意
日本の大雨や台風が来る時期は何となく決まっていますので、
覚えておくと良いです。
梅雨前線 6月~7月
秋雨前線 9月~10月
台風 7月~10月
局地的大雨 夏~10月
集中豪雨 梅雨・9月
上記の換気扇からの雨漏りの原因を参考に、
換気口の周りにひび割れはないか、
コーキングが切れていないか、
屋外フードは劣化していないか
など簡単に確認してみましょう。
またベランダ・バルコニーの排水口をこまめに掃除することも大切なことです。
問題を見つけた場合は、早めに対処をすることで雨漏りを未然に防ぐことができます。
新築住宅で雨漏りがひどい場合
新築で5年しかたっていないのに換気扇から雨漏りがひどい場合には、新築工事の時点からの施工ミスの可能性がありますので、
建設会社に問題を連絡をすれば、対応してくれます。
また交換したばかりなのに換気扇から雨漏りする場合にも施工店に確認してみましょう。
換気口に繋がるダクトの勾配の施工ミスの可能性もありますし、屋外フードの型が雨水を侵入させやすいものだったりします。
吹込み防止性能が付いた耐外風高性能フードも各メーカーから販売されておりますので、交換を考えてもよいでしょう。
台風が原因の一時的な雨の吹込みの場合でも、他に原因があるかもしれませんのでまずは業者に相談すると安心できます。
まとめ 一度ご相談を
今回は台風シーズンに多い換気扇からの雨漏りについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
台風時の雨の量は普段の雨の量よりも短時間で多くの量が降ることが多いです。
換気口廻りの外壁にヒビがあったり、フード廻りのコーキングが切れていたりするだけで、
短時間で大量の雨が劣化箇所から中に入り込み、雨漏りに繋がります。
雨漏りが室内でしていなくても外壁と内壁の間や天井裏に雨水が染み込んでいる可能性があります。
雨漏りを放っておくと、建物全体の腐食にもなりかねませんし、カビなどが発生し健康被害へとつながります。
二次被害を防ぐためにも一度ご相談ください。
また記事で説明した通り、雨漏りは様々な要因により起こるものですので、注意が必要です。
お客様自身で原因がわからなくても、私たちが調査致しますのでお任せください。